にっぽん文楽公演@明治神宮。伝統芸能を無料で鑑賞できる公演でした(2019年3月)

先月のことですが、にっぽん文楽の公演を鑑賞してきました。

にっぽん文楽とは日本の伝統芸能『人形浄瑠璃・文楽』を多くの人に楽しんでもらえるような取り組みをしているプロジェクトです。

伝統芸能というと堅苦しく敷居が高いイメージがありますが、このにっぽん文楽の明治神宮での公演は野外ステージで、

後ろの立ち見エリアなら無料!という、気軽に文楽を楽しめる公演だったのです。

私たちもふらりと行って、立ち見で見てきました。

めったにない機会だったので、忘備録がてら公演の様子と感想を書きたいと思います。


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にっぽん文楽とは

公演の様子を書く前に、まず『にっぽん文楽』とは何なのか。

にっぽん文楽プロジェクト

私も詳しくないので公式サイトから引用させていただくと、

「人形浄瑠璃・文楽」は、世界の様々な人形劇と比較しても、他に類を見ないほど高度な芸術性を持ち、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている世界に誇るべき「日本のタカラ」です。

~中略~

私たちは、文楽の歴史を踏まえながらも、新たなプロデュース手法により、これまで劇場に足を運んで来なかった人たちもが注目するような公演を開催して行きます。

引用:にっぽん文楽 公式サイト

 

と書かれています。

つまり伝統芸能の文楽を新しい形で多くの世代、多くの人に楽しんでもらう為に、現代にあった形にプロデュースして発信していこう、という取り組みのプロジェクトのようです。

 

伝統芸能」というととても敷居が高く、基礎知識がないと楽しめないものという感じがして、特に若い世代は全く触れたことも見たこともないという方も多いのではないでしょうか。

そういう方にも気軽に文楽に触れてもらえるようにと、趣向を凝らした公演やシンポジウムを定期的に行っているのがこの「にっぽん文楽プロジェクト」なのです。

 

文楽とは

「にっぽん文楽」が何なのかはわかったけれど、そもそも文楽とはなんなのか?

 

文楽とはそのまま「ぶんらく」と読み、人形浄瑠璃文楽のことを指します。大阪を本拠地とする人形浄瑠璃の系譜です。

人形浄瑠璃」という言葉自体は学校でも習いますよね。

日本を代表する伝統芸能の一つで、太夫(たゆう、浄瑠璃語り)・三味線・人形が一体となった総合芸術です。

 

でもあまり見る機会のないものなので、実際どんなものなのかはよく知らなかったり・・

超簡単に一言で言うと、人形劇のことです。

とはいっても片手のパペットとは違って、1体の人形を3人がかりで操る大掛かりなものなのです。

文楽はユネスコの無形文化遺産にも認定されています

公益財団法人 文楽協会


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奉納公演@明治神宮

ではここからは私が見に行った、2019年3月の明治神宮での奉納公演についてを書いていきます。

写真も撮影可だったので、何枚か撮ってきました。

 

【にっぽん文楽in明治神宮】

日時:2019年3月9日(土)~12日(火) 1日3回公演

料金:1,000円(全席自由) 立ち見は無料

会場:明治神宮 原宿口 鳥居前

 

会場は組み立て式

会場:明治神宮原宿口鳥居前

と書きましたが、「ん?」と思いませんか?

鳥居前?

 

原宿駅を出て右手側に進むと明治神宮入口があり、大きな鳥居がありますが、そんなところにステージ、ましてや伝統芸能をやるような施設はなかったはず・・

ここが鳥居。

確かに手前のスペース(青丸)は空いていますが・・

 

テントでも張るのかな?

と思いながら行ってみたところ、なんとこうなっていました。

あの空いていたスペースに、こんなちゃんとした舞台が・・!

 

実はこの舞台は組み立て式

公演や祭事に併せて組み立てられ、終われば解体されて元の更地に戻るのです。

 

でも組み立て式とは思えないくらいちゃんとした舞台に見えました。

てっきりここに常設の舞台が新しく作られたのかと思うくらい。

そして組み立て式舞台といっても、ちゃんと現代の耐震基準を満たす造りになっているそうです。

すごいですね。

 

まわりはこんな幕で囲われていました。

のぼりもカラフルですね~

 

周りの雰囲気

私たちが行ったのは夕方の会。

チケットはもう買えなかったので、立ち見で見ることにしました。

開演の1時間前に行ったところ、まだ立ち見エリアは人もほとんどいなくて、また1時間立ちっぱなしで外で待っているのも辛いかなと思い、明治神宮にお参りをしたりして時間をつぶしていました。

 

開演5分前に戻ってきたら、もう結構人がいて、立ち見エリアの3~4列目くらいでした。

立ち見エリアはきっちり列に並んでいるわけではなく、各自見える場所に移動して良いポジションを探す感じでした。

 

立ち見エリアには一度入ったら出られないかというとそんなことはなく、

出入り自由、開演後に立ち見エリアに入っても、途中で出ても全く問題ないようでした。

なので本当にふらっと気楽に見られる舞台です。

 

周りの雰囲気ですが、やはりちょっと年齢層は高め

立ち見の前には有料の席がありますが、そちらには結構ご高齢な方もいました。

周りの年齢層が高いからといって、若い方がいたら浮くかといったらそんなことはありません

 

そして場所柄、海外の方もちらほらといました。

にっぽん文楽目当てで来たというより、原宿~明治神宮の観光をして何かやっているからついでに見て行こうとい感じでしょうかね。

英語の字幕が出るわけではないので内容を理解するのは難しいかもしれませんが、どんな方でも気軽に立ち寄ってOK!ウェルカム!という感じでした。

 

開演後~演目前

開演の時間になったらいよいよ始まります!

・・と思ったら、すぐに演目が始まるのではなく、最初30分は人形の説明やどのように動かしているか、どのような仕草をするとどう見えるか・・等のお話でした。

ちょっと遠いですが、舞台幕前で人形と人形遣いの方が出てきてお話をされています。

この時使われていたのは女性の人形。

この後の演目では出てきませんでしたが、着物を着た華やかな人形でした。

 

人形足、右腕、左腕の3パーツに分かれていて、それぞれのパーツを一人ずつ担当して3人がかりで操作をします

3人で息を合わせて1体の人形がまるで生きているかのように動かすのです。

舞台上の人形はすごく滑らかに動き、手足のずれや違和感を感じることなく見ていられますが、全ては長い修行を積んだ人形遣いの方々の技あってのもの。

なんにおいてもプロってすごいなあ・・

という浅い感想しか言えませんが、とりあえずすごいなと思いました。

 

ちなみに人形遣いの修行は、足⇒左腕⇒右腕(メイン)とステップアップしていくそうで、足だけで10年は修業が必要なんだそうです。

芸の道は大変ですね・・

 

30分ほどのお話や説明があった後は、いよいよ演目が始まります。




演目『小鍛冶(こかじ)』

私たちが見た回の演目は『小鍛冶(こかじ)』というプログラムでした。

 

能「小鍛冶」を基として作られた「景事物」。「景事物」とは、文楽で音楽性豊かな舞踊の要素が強い小品の事。
ある日、帝は不思議な夢を見る。その夢に従い、三条小鍛冶宗近に対し、御剣を打つよう勅命が下る。宗近には腕の良い相鎚がいないが、勅命なので受けない訳にはいかない。必死の思いで稲荷明神へ祈りを捧げていると、老翁が現れる。翁の言う通りに刀を打つ壇を整え待っていると、稲荷明神が狐の姿で現れる。狐は宗近の相鎚を勤め、見事な剣が打ち上がる。

引用:にっぽん文楽 公演詳細

 

配られたチラシの裏にあらすじが書いてあったのですが、そのあらすじを全く確認せずに見始めたら、

「・・・?・・・!?」

という感じでさっぱりわかりませんでした。

というのも、太夫(=語り)の口調が普通の言葉ではないため、少しも理解することができませんでした・・

なのでもし次回見に行く方は、あらかじめあらすじを確認してから見ることをお勧めします

あらすじを見て話しの流れさえ把握しておけば、あとは人形の動きを見ていればどんな場面かは理解できます。

これが古鍛治。

人形遣いは右手担当の人以外は黒子姿になります。

これが老翁実は稲荷明神。

人形遣いは人形を操るだけで、一切言葉は発しません。

語りはすべて、舞台右側にいる太夫が行います。三味線も舞台右側にいます。

人形は結構な大きさです。

でも中はくりぬかれて軽量化されているそうですよ(演目前のお話で言ってました)

これは老翁が稲荷明神に姿を変えた後、一緒に剣を打っているところ。

稲荷明神になった老翁はかなり舞台上であらぶっていました。

写真には写っていませんが、もう1体、帝の人形がいました。

 

実際の演目自体は30分ほど。

最初のお話と合わせて開演から1時間で終了しました。

 

立ち見エリアは途中で出入りする人も多く、落ち着きがない場所ではあったので

ゆっくり見たいという方は、有料席を確保した方がいいかもしれません。

ちょっとだけ見てみたい、という方は立ち見エリアでもいいと思います。

立ち見でもちゃんと見えたし十分に楽しめました。

 

おわりに

文楽の公演は初めて見ましたが、とても興味を惹かれるもので、今度はちゃんとした舞台でゆっくり鑑賞してみたいなと思いました。

最初にも書きましたが、伝統芸能というとやはりとっつきにくく敷居が高いと感じてしまいます。

ですが、今回のにっぽん文楽のように、気軽に楽しめて伝統芸能に触れられる機会があると、

そのハードルもぐっと下がるのですごく良いと思いました。

 

30代ももうじき中旬に差し掛かる年代になってくると、最新のものばかりに興味を持つのではなく

こういった伝統芸能や古き良きものも教養の一つとして身に着けていくことも必要かな、と感じているので、

これからも積極的にいろんな伝統芸能や未経験の事柄にも挑戦していきたいです。

にっぽん文楽は年に2回ほど、公演やシンポジウムを開催しているので、ご興味のある方は是非チェックしてみてくださいね。


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